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【たいせつなきみ】自分もひとも大切にしたくなる絵本

こんにちは、眠りねこです。

最近、『たいせつなきみ』という絵本のシリーズを読みました。

人生にたびたび訪れる、他人のものさし目先の誘惑に惑わされないで、
自分やまわりにとってほんとうにたいせつなもの・幸せを感じることを選び取っていくお話です。

全部で6冊あります。


ウイミックというちいさな木のこびとたちが住む村のお話です。

こびとたちはみんな、一人の彫刻家「エリ」につくられています。

この、
『つくりぬし「エリ」と、さまざまな姿形のこびとのウイミックたち』

ということからピンとくるように、著者は牧師をしているマックス・ルケード氏という方で、キリスト教の考えがベースになっているようです。

私は特定の信じている宗教があるわけではないため、キリスト教的な表現に馴染みのない部分もありますが、このシリーズの根底には、

みんなありのままの状態で素晴らしいんだよ
違いがあるからいいんだよ

という事を伝えてくれていると感じます。

全能感いっぱいだった赤ちゃんのころから、だんだんと周りと自分の違いを感じる中で、優越感や劣等感を持つことは誰しも通る道です。

しかし、まわりの評価や流行や出自・才能など、

まわりに流されず、自分にとって何がほんとうにたいせつなのか

を親子で考えるいいきっかけを得られる絵本シリーズです。

目次

たいせつなきみ シリーズ (マックス・ルケード)

1:たいせつなきみ

たいせつなきみ

たいせつなきみ

ウイミックという木のこびとが住むこの村では、毎日、朝からばんまでシールをくっつけあっています。

🌟「きんぴかのお星さまシール」をもらえるのはいいこと
⚫️「みにくいはいいろのだめじるしシール」をもらうのはわるいこと

シールを付け合うことで、他人を評価して、自分もまた評価されています

主人公は、だめじるしシールばかりつけられて、落ち込んでいくパンチネロ。

しかしある日、何のシールもついていないウイミックと出会います。

そのウィミックには、周りが「おほしさまシール」や「だめじるしシール」を貼ろうとしてもくっつきません

「ぼくもあんなふうになりたいなあ」とパンチネロは思った。
「もう だれからも いいとか わるいとか 言われたくないよ」

引用:たいせつなきみ

どうすればいいか、シールのつかない子に聞いてみると…
毎日つくりぬしのエリに会いに行くというのです。

おそるおそる、会いに行ったパンチネロ。
エリからどんな言葉をかけられたのでしょう?

2:ほんとうにたいせつなもの

ほんとうにたいせつなもの:たいせつなきみ2

ほんとうにたいせつなもの:たいせつなきみ2

ウィミックの村できれいな「はこ」や「ボール」をあつめるのが流行り始めました。

ひとよりきれいだったり、大きかったり、たくさんだったり…

・持っていると「りっぱな」ウイミック
・持っていないと「だめな」ウイミック

みんなのまねをしてあつめはじめたパンチネロ。

みんなに「りっぱなウイミック」と思われましたが、それもほんの短い間だけでした。

まわりもどんどんまねをし、もっとよいものをもっとたくさんと競争のようになっていきます。

とうとう、自分の「ほんとうにたいせつなもの」が、
わからなくなるほど、パンチネロはのめり込んでいってしまいます。

『はこやボールを持っているほどえらくて、えらいほど幸せになれる

本当にそうでしょうか?

パンチネロが最後にたどり着いた「ほんとうにたいせつなもの」とはなんなのか。

私達も、この絵本に出てくる、きれいなボールと箱のように、

本質的には役に立たないのに
・周りによく思われたい
・優位にたちたい
ためだけのものを間違って集めていないでしょうか

それとひきかえに何かを失ってはいないでしょうか。

そんなことを考えさせられる絵本です。

3:きみはきみらしく

きみはきみらしく: たいせつなきみ3

きみはきみらしく: たいせつなきみ3

木ぼりのこびとのウイミック達が住む村に、長い行列ができていました。

何の列かというと、みんな鼻をみどり色に塗っているのです。
そして、ツンと鼻を上に向けて歩くのです。

最初はそんなこと変だと思っていたパンチネロでしたが、気になる子にみどりの鼻にするとステキよと言われ、みんなに塗っていないウイミックだと笑われ、仲間と3人でついにみどり色に塗ってしまいます。

自分がみどり色に塗ってからは、塗ってないウイミックの方が変に思えてくるのでした。

ある日、違う色の鼻の人が現れ、あっという間に色の流行が変わっていくようになります。

その度に違う色に塗り替えるパンチネロたち。

しかし、こんな流行を追いかけるのはもう嫌だと思い始め…

私達も、ついこれが今ブームだ、やっていないと変だと聞くと同じにしたくなります。

新しい発見につながるようなことならいいのかもしれませんが、
単に流行を作った側に「やらされている」だけのこともあります。

子どもに対しても
・こんなことをさせないと
・こうならないと
と思ってしまう事があります。

そんな時、少し立ち止まって、

・人の作った流行に流されていないか?
・どうあるのが「自分らしい」のか?

子どもと考えてみたいです。

「あのウイミックたちは、みんなと同じかっこうをしていればしあわせなのさ。でもわたしはよくよく考えて、ひとりひとりを、ちがうようにつくっているのだよ。そばかすや、わし鼻や、青い目や、黒い目をね。なのに、みんなは、人とちがうのをいやがるのさ。」

引用:きみはきみらしく: たいせつなきみ3

4:たったひとりのきみ

たったひとりのきみ: たいせつなきみ4 

たったひとりのきみ: たいせつなきみ4 

ある日、村に「有名な」ウイミックがやってくるとなって、大騒ぎになります。

そのウイミック、ストーバルさんは『すてきなウイミッククラブ』の会員を選びにくるというのです。

一人ずつ挨拶しますが、ストーバルさんは挨拶の言葉よりも目に見える何かが気になるらしい。

どうやら確認していたのは、そのウイミックが
・何の木でできているか
・どこの森の木か

ということでした。

「なぜストーバルさんは、だれかには親切で、だれかにはつっけんどんなの?」
「どんな木でできてるかで、区別してるみたいよ」
「どこの森でとれた、何の木でできているかってこと」
「どうしてそんなことを気にするの?」
「わからないわ」

引用:たったひとりのきみ: たいせつなきみ4 

ストーバルさんに言われてから、村のウイミック達はお互いを区別するようになっていきました。

それまではみんな、お互いが何でできているかなんて気にしたことがなかったのに。

その日から、村のふんい気が変わってしまい、ストーバルサンの言った区分によって、より下の序列の木でできたものをさげすむようになってしまいました。

パンチネロは一番弱い、ヤナギの木でできていると言われ、みんなからばかにされました。

しかし、そんなパンチネロだからこそできることもあるのです。

素材に優劣があるわけではない
ただ素材が違えばできることの幅が広がり、多様性が生まれてくる

『違いがあることの良さ』を教えてくれる絵本です。

5:いちばんうれしいおくりもの

いちばんうれしいおくりもの: たいせつなきみ5

いちばんうれしいおくりもの: たいせつなきみ5

『つくり主の日』が今年もやてきます。

エリはパンチネロに何か特別なことがしたいと言いますが、エリは、
「わたしは、おまえがそばにいてくれるだけで、とてもうれしいんだがね、パンチネロ」
と答えます。

何か特別なことをしたいと街に出てさがすパンチネロ。

つくりぬしエリにへ『だれにも負けないすばらしいもの』をあげたいと張り切るウィミックたち。

・ケーキ屋さんは特大のケーキを
・花屋さんは特大の花束を
・博士は特大のオーケストラマシンを

それぞれ用意し、みんな「自分の贈り物がいちばん!」と思っています。

それがあらぬ騒動に発展していき…
心のこもった、本当に「いちばんうれしいおくりもの」とは何なのか考えさせられます。

この中で、エリへ歌を歌うシーンが出て来るのですが、
キリスト教でいう讃美歌でしょうか。

以前、キリスト教式の葬儀に参列して讃美歌を歌ったことがあり、故人を思い出して歌いながら泣いてしまいました。

しかしそれも、故人と参列者同士のつながりを感じとても温かな場でした。

この絵本では、本当の幸せは豪華なモノを贈ってもらうことではなく、美しい歌を一緒に歌う場や、感謝の気持ちを共有しあえる仲間がいることだと感じます。

6:きみへのとくべつなおくりもの

きみへのとくべつなおくりもの:たいせつなきみ6

きみへのとくべつなおくりもの:たいせつなきみ6

こびとのウィミックたちのもとに、ある朝、不思議なおくりものが届けられました。

みんなそれぞれに『好きなもの』が届いているのです。

・大工仕事が好きなパンチネロには金づち
・絵を描くのが好きなルシアには絵筆とパレット

だれが自分の好きなものを知っていて、
届けてくれたのかしら?とみんなが不思議がります。

そのうちに、ある一家が村の中で立ち往生して困っているのに気づいて皆が駆けつけます。

みんなこの一家を助けたいと頑張りますが、
空回りしてしまってうまく助けられません。

そんな時、エリに相談に行くと、
エリはみんなにこの一家を助けられるようにした、というのです。

「みんな、なんとかしようとがんばってはいるんだね。だが、やり方がまちがっているようだ」とエリが言った。

「どういうこと?」
スプリントとウッディが聞いた。

「いいかい、めいめいが一番得意なことをしてごらん」
エリがにっこり笑いながら言った。

引用:きみへのとくべつなおくりもの:たいせつなきみ6

「他の人がもらったものを使おうとしてはいけないよ」とエリはいいます。

この本からは、自分がもらった贈り物がなにか
を考えるきっかけになります。

絵本では具体的な「モノ」をもらっていましたが、
そもそもそれ以前に自分に「好き」や「得意」があるからこそ、このモノが生きてくるのです。

🍀自分はどんな贈り物をもらっているのか?
🍀他の人のものを使おうとしていないか?
🍀自分が一番上手にできることは何か?
🍀自分がもらった贈り物を、人のために力いっぱい使っているか?

そんなことを考えさせられる本です。

おわりに

古い本のため、入手がむずかしい巻もありますが、
長く読み継がれるだけあって、素敵な考え方だなと思う内容がたくさんありました。

気になった方はぜひ読んでみてください。

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