こんにちは、眠りねこです。
みなさま、農場や牧場に行かれたことはありますか?
広い場所が必要で、人が住んでいる場所からは離れていることが多く、なかなか身近に感じる機会がないですよね。
たまたま見た冊子に載っていた牧場のアイスを子どもがどうしても「食べたい!」と言うので、先日少し遠出して牧場へ行ってきました。
子どもは初めて間近に見る牛に、喜びいっぱい。
(感染症予防の観点から指示に従って、一定距離離れて観察しました)

うしさん、大きい!!
牧場併設の可愛いログハウスで、チーズやジェラートが販売されており、そこでジェラートをいただいてきました。
棚に飾られていた絵本もすてきで、子どもも夢中で読んでいました。
そこで出会った絵本は「かえでがおか農場」というシリーズの1冊でした。


長めの絵本だったのでその場で全部は読みきれず、帰ってからシリーズを全部読んでみました。
農場の個性豊かな生き物たちが繰り広げる世界が、愛らしい絵と文で綴られています。
作者のプロベンセン夫妻は、実際に農場で暮らしていて、共に過ごす動物たちの仕草や性格を生き生きと描いています。
こんなにたくさんの生き物と暮らす機会はなかなか持てませんが、絵本でならその世界を体感できますね。
親子で読んで、生き物とともにある農場の暮らしを絵本で体験してみませんか?
かえでがおか農場のいちねん(大型絵本) 4・5歳から


アリス&マーティン・プロベンセン さく ほるぷ出版
いちねんのこと
これは、いちねんかんの のうじょうの くらしや、どうぶつたちのことをかいた ほんです。
いちねんは、12の つきに わかれています。
引用:かえでがおか農場のいちねん
月ごとに見開き1ページで1月から12月の農場全体の暮らしや、動物たちそれぞれの営みが描かれています。
4月のページは卵を抱いたニワトリがいます。
あちらこちらで卵を産み育て、ひなが孵るにぎやかな4月。
カッコーの托卵(たくらん:他の鳥の巣に産んで親は育てない)についてや、イースターなども描かれていて、こんな鳥がいるんだよとか、海外ではこんな風習があるんだよなども絵本で自然と学べます。
まるで1年を通したアルバムをめくっているような、そんな気持ちになる絵本です。
みみずくと3びきのこねこ[新版] (大型絵本) 4・5歳から


アリス&マーティン・プロベンセン さく ほるぷ出版
棚に収まった1羽のみみずくと3びきのこねこ。
本のタイトルが、飾り皿の中に描かれているようでステキですね。
前半は小さな小さな、みみずくの赤ちゃんを育てて自然に返すまでのお話。
夏が近づいて、はげしい西風がぶつかるころ、かえでがおか農場にある一番古い木が吹きたおされました。
嵐がいってしまったあと、たおれた木のうろからでてきたのは、小さな小さな、みみずくの赤ちゃん。
母さんもいない、まだとぶこともできない、えさもさがせないみみずくの子が、農場で日一日と成長していくすがたが愛らしく描かれています。
引用:みみずくと3びきのこねこ[新版]
後半は出自の違うこねこ3匹が繰り広げる、どたばた成長劇です。
かえでがおか農場には、このほか、こねこが3匹びきすんでいます。ひとなつっこいデカオに、すてねこだったノラコ、そしてちょっとへんくつなシャムねこウェブスター。
引用:みみずくと3びきのこねこ[新版]
おなじ「ねこ」といっても、性格が全く違っているのが面白く、その違いが丁寧に観察され描かれています。
はじめは家の中で遊んでいたこねこたちも、やがて外に出て、世界を広げてゆきます。
それでも、家から出たくないねこもいたり、野性味あふれるねこに育ったりと個性的
その子ごとの性質や好みがあって、一筋縄では行かないのと、成長して自分の世界を持っていく様子が、何だか子育ても一緒だなぁと感じました。
生き物を、赤ちゃんから一人前のおとなになるまで一緒に育てている気持ちになれる絵本です。
かえでがおか農場のなかまたち (大型絵本)6歳から


作・絵 アリスとマーティン・プロベンセン 童話館出版
ここが、かえでがおか農場です。
ここに すんでいるのはーわたしたち。それから、
イヌが2ひき、ウマが5とう、ブタが1ぴき。
ガチョウとニワトリと、
メウシと ヤギと ヒツジ。それから、
引用:かえでがおか農場のなかまたち
4ひきのネコたち。
多彩な生き物達がそれぞれの営みを送っています。
同じ種類の生き物でも、性格の違いや相性や、賢さなど違っているのも面白いです。
個人的には、ニワトリの『チイサナカワイイ赤毛チャン』のエピソードが好きです。
トシをとって、たまごをうめませんが、ほかのニワトリのうんだたまごをあたためるのがすきな『チイサナカワイイ赤毛チャン』
名前からして、みんなに愛されているのが伝わりますね。
こちらは少しボリュームがあるからか、対象年齢がおよそ6歳からとなっていますが、親が読んであげればもっと小さい子でも楽しめると思います。
原作の出版年からすると、こちらがシリーズで最初に出版された本のようです。
しかし、『みみずくと3びきのこねこ』のねこたちの名前も出てきますが、もうすでにいないので年代としてはそれより後のお話のようです。
まえにいた動物たちと…
いまいる動物たちと…
これからやってくる動物達が…
よろこびと わらいと いのちを、はこんできてくれます。
引用:かえでがおか農場のなかまたち
日本では、同シリーズの他の本は「ほるぷ出版」さんから出されていますが、こちらのみ「童話館出版」さんから出されています。
この本の中に出てくる、「ねこのマックス」が主人公の絵本も、最近出版されていました!!
それが、こちら↓
かえでがおか農場のねこマックス 2・3歳から


アリス&マーティン・プロベンセン さく ほるぷ出版
マックスはね、うちの のうじょうで うまれた ねこ。
引用:かえでがおか農場のねこマックス
いつも はらぺこで、いばりんぼうで、いたずらばかり!






その表情の豊かさや動きで、やんちゃないたずら坊主ぶりがよくわかります。
マックスが大きくなる様子が重なった絵になっているのが特に子どものお気に入りです。



おおきくなって
おおきくなって
おおきくなった!
笑
巻末に、著者のプロベンセン夫妻の娘カレン・プロベンセン・ミッチェルさんから「読者のみなさんへ」と題した寄稿があり、これがまた、かえでがおか農場シリーズを補完しています。
こねこが「マックス」と名付けられた裏話や、著者であるご両親についても知ることができます。
科学者のアルバート・アインシュタインは、「わたしたち人類が体験できるもっとも素晴らしいことは、知らない世界を知ることだ」と語っていました。
わたしの両親は、人生を豊かにするのは、この「知らない世界を知ること」だと信じていました。そして父も母も、動物は人を知らない世界へ案内してくれるのだと考えていました。
引用:かえでがおか農場のねこマックス 読者のみなさんへ 娘のカレン・プロベンセン・ミッチェル
動物たちから学ぶことも多いですし、子ども自体もより動物に近い生き物だなと感じて、子どもを通じて私も日々学びがあります。
親子で絵本を読むことで、子どもも大人の私自身も「知らない世界を知ること」がたくさんあります。
絵本の著者の目から見た豊かな世界を知ることができているなと感じました。
対象年齢が2・3歳からと他の本に比べて小さめですが、大きいお子さんでもこの本を手にとらないのはもったいないので、シリーズとしてぜひ併せて読んでみてください。
小さいうちでしたら、徐々にシリーズの読む範囲を広げて親しむのも良さそうですね。



この子、あっちの本にも出てきたよ!
こどもは各本のつながりを見つけて、嬉しそうに読んでいます。
かえでがおか農場シリーズ まとめ


日本で翻訳・出版された順にご紹介しました。
日本で最初の『かえでがおか農場のいちねん』が出たのが1980年、一番最近の2024年の『かえでがおか農場のねこマックス』は、生前出版社に持ち込まれていたダミー本(原稿やスケッチを仮レイアウトした本)から作成されたもので、いかにこのシリーズが長く愛されてきたかがわかります。
繰り返し読んでいると、自分も農場の一員として一緒に暮らしている気分になります。
それぞれの、対象年齢はバラバラですが、同じ農場に暮らす生き物の四季や成長を通した”いのちのつながり”が感じられるので、ぜひシリーズ通して読んでみてください。








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